大倉陶園

大倉陶園の歴史と技法

大倉陶園 ノリタケ 大倉陶園


大倉陶園について
大倉陶園は日本陶器合名会社(現在のノリタケカンパニーリミテド)の設立者の一員、大倉孫兵衛、和親父子により興されました。大正8年(1919年)の創業以来、大倉孫兵衛、和親父子の『良きが上にも良きものを』の精神にそって、イギリスのボーンチャイナ、フランスのセーブルなどのヨーロッパの磁器に勝る品を作りたいと始められ、現在も美術的価値の高い磁器を作り続けています。


ヨーロッパの磁器は東洋の磁器を真似て作られ、その歴史は約300年になります。磁器より早くに生まれた陶器の時代から継承された技術も融合し、東洋にはないヨーロッパ独自で多様な装飾技法を完成させてきました。
大倉陶園はノリタケと共にヨーロッパの白磁器の製法を学び、装飾技法を取り入れてきました。さらに、日本古来の技法なども取り入れて大倉陶園独自の作品を作り出しています。
以下に大倉陶園の代表的な技法を紹介いたします。


生地の白さ
伊万里(有田)から東インド会社によってヨーロッパに伝わった磁器の白さは人々の想像を超え、その憧れは相当なものでした。
現在でも大倉陶園の製品の白さは海外では日本人には信じられない程の高い評価を得ています。
この大倉陶園の白さと滑らかさは独自の原料と技法かた生まれます。純白を表現するために良質なカオリンを含む原料を用い、やはり極めて良質な長石と珪石を使用しています。陶土を長時間に渡り細かく砕きパウダー状にしたうえで粘土を作り、さらに1460℃と言う高温で焼成します。そうすることにより、熱に耐え抜いた粘土は硬く純白で滑らかな大倉陶園独自の磁器が出来上がります。
大倉陶園の白
装飾に用いる金
大倉陶園の製品だけでなく陶器や磁器の装飾には様々な金属が用いられています。その中でも最も目にする機会の多い金属は金です。銀は空気に触れると変色し、お手入れの手間を要することなどから陶器や磁器の装飾にはあまり使用されていません。大倉陶園が磁器の装飾に使っている金の純度は97.5%と非常に高いものです。
そこまで純金に近いのになぜ純金を使用しないのでしょう。それは筆などを用いて装飾し焼付けるために金を特殊な液状にするためで、焼成後の金に金以外の不純物が残るので純金にはならないのです。


美術工芸品と呼ぶに相応しい技法
岡染(おかぞめ)
岡染は大倉陶園独特の技法で、ブルーローズの愛称で幅広く親しまれ人気の高いバラの絵を描くことが多い技法です。
日本の伝統的な染付は水で溶いたコバルト質顔料を用いて絵を描きますが、大倉陶園の岡染は本焼成(1460℃)し、釉薬を施した白生地に油で溶いたコバルト質顔料を用いて絵を描き、再び1460℃の高温度の本焼窯で焼成します。
そうすることにより、顔料はコバルトの青い色を残したまま上薬の中に染込み(シンクイン)柔らかで独特な味わいを持った紺青の岡染の絵柄が出来上がります。
大倉陶園 岡染 ブルーローズ
呉須(ごす)
有田焼や清水焼などの伝統的磁器に用いられた《呉須》と全く同じ日本の伝統的な絵付けの技法です。
吸水性のある素焼きした生地面に水で溶いたコバルト質絵具で絵を描きます。
呉須の岡染との違いは、岡染がコバルト質顔料を油で溶いて絵を描くのに対し、呉須はコバルト顔料を水に溶いて描く点です。
上薬を掛けてから本焼窯に入れると、焼成温度が高いため絵具は素地にしみ込んで、渋味のある冴えた色に上がります。
呉須
金蝕(きんしょく)
金蝕の技法は上薬を掛けた生地に模様を保護(マスキング)し、その上からサンドブラスト(細かな砂を表面に吹きつけること)を施します。すると、マスキングされていない部分の釉面は削られて彫りこまれます。
一方、マスキングした生地面はサンドブラストを施しても表面が保護されていますので、元の平らな面がそのまま残ります。金を施した後に焼成すると保護されていた部分の金に艶の良い光沢があり、サンドブラストにより削られた面には光沢がなく、焼き上がった金の面に模様が浮き上がって出来上がります。
金蝕の代表作は金蝕バラとネーミングされ広く親しまれています。
大倉陶園 金蝕バラ
漆蒔(うるしまき)・蒔絵(まきえ)
白生地の上に漆を塗り暫く乾燥させて表面を少し固くし、そこに乾いた上絵具の粉を漆の上に蒔き絵具を漆の中に沈めます。
上絵付と同様に絵付窯で焼成すると色無地の絵付が出来上がります。
この漆蒔の技法は複雑な形の生地面にも絵具を一様に付けられることが特徴で、数種類の絵具でこの方法を繰り返すと独特な蒔絵が出来上がります。
瑠璃釉を施す際にこの漆巻きを応用する場合もあります。
大倉陶園 蒔絵
エンボス
ヨーロッパで生まれた技法ですが、この技術を継承しているのは大倉陶園だけの非常に技術を要するものです。
まだ柔らかい成形生地にローラーで模様を付けていきます。その凹凸の出来た部分だけは釉薬を施さず本焼成します。本焼成後にローラーで形を付けられた模様の上に金を施し再び焼成すると、ローラーでつけた模様が金色に浮かびあがり輝きます。
大倉陶園 エンボス
瑠璃
生地の表面にコバルト質絵具をむらなく付け、さらに本焼成してコバルト質絵具を釉薬の中に溶け込ませます。岡染と異なる点は白生地の釉麺に瑠璃釉が均一に溶け込む点です。
白生地に刷毛で漆を施し、半乾きの時点で漆の上に粉末のコバルト質絵具を蒔絵にて施し、さらに綿で擦り込むことでコバルト質絵具を漆の中に沈ませ一体化させることが出来ます。
大倉陶園 瑠璃
上絵付
本焼成した白生地に油で溶いた絵具で絵を描き再度絵窯で焼成します。
焼成する温度は約850℃程度と本焼成の加熱条件の1460℃よりはるかに低い温度であり、絵具は釉薬の表面に焼き付けられるだけですが、焼成温度が低いため、使用出来る顔料の制限が少なく大変に多くの色を表現することが可能で、多様な調子、色彩で絵を表現できます。
上絵付 手描

引用・参考  大倉陶園総合カタログ ('02.1製作版)

************************************************************************************************
当サイト内のコンテンツ(文章・画像・写真等)及び商標(ロゴマーク等)は当店、(株)ノリタケカンパニーリミテド、(株)大倉陶園に帰属します。当サイト内のコンテンツの無断での使用(加工しての使用を含む)は固くお断り致します。またノリタケ 大倉陶園 共に商標の使用は一切お断り致します。
************************************************************************************************

ノリタケなどの陶磁器メーカーと日本の陶器 磁器
ノリタケショップ陶仙
神奈川県 相模原市 中央区 横山 3-10-13
TEL・FAX 042-758-8585

Copyright ©2017 ノリタケなどの陶磁器メーカーと日本の陶器 磁器 All right reserved.